【読了】暮らしのさじ加減
図書館で何気なく手に取った本です。
暮らしのさじ加減―ていねいでゆっくりな自分にちょうどいい生活
- 作者: 金子由紀子
- 出版社/メーカー: リヨン社
- 発売日: 2006/09
- メディア: 単行本
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半年間ほど、ミニマリスト、シンプルライフの方の著書を読みあさっていましたが、この本がいちばん、腑に落ちました。
How to ではなく、心構えの提案にとどめた内容なのが良かったです。
具体的な節約術やおすすめグッズの紹介の本は、その著者の思考と自分がバッチリはまればすごーく役に立ちますが、やはり1つや2つあるんですよね、「それはちょっと‥納得いかないなあ」ってことが。
今まで読んできた本達に共通していたのが「時短」についてで、10分かかっていたところを5分に削減!たった5分だけど1日3回なら15分、浮いた15分を家族と過ごす時間に!みたいな時短術。
いくつかトライしてみて、家事時間の節約には成功したものの、浮いた時間はなんだか疲れてぼーっとしているうちに浮いた時間は消化してしまう。
何でだろうか、時短家事にしたことで集中力が増したことの弊害か。
「暮らしのさじ加減‥」も、時短家事を提唱する内容の章があるだろうと予想しながら読み進めていたところ、こんな見出しが。
「時間」をケチるのは、人生をケチること
本文より
10分が2分に短縮されたから、どうだというのだろう。
(中略)
高度経済成長時代の真っ只中に生まれた私は、今までも散々、
「コレで時間を大幅カット!」
という夢のような商品やサービスを見たり、聞いたり、使ったりしてきた。
けれども、そういうモノのお陰でヒマができたり、のんびり過ごせるようになったとは思えない。
‥確かに!!
子供のころ家にあって、何度も読んだ「モモ」の一節も引用されていました。
時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということには、だれひとり気がついていないようでした。じぶんたちの生活が日ごとにまずしくなり、日ごとに画一的になり、日ごとに冷たくなっていることを、だれひとり認めようとはしませんでした。
— モモbot (@bot_momo_bot) 2013年6月17日
本当はぜんぜんべつのなにかをケチケチ
10分かかっていたところを5分に短縮できたことで、例えば皿洗いなら皿洗いそのものの工数は5分短縮されたけど、10分かけた時は無駄とも思える5分で、無意識に次の日曜日の予定を考えたり、ラジオの音楽に耳を傾けたり、お気に入りの食器が少し欠けているのに気づいたりしていて、このささいな「遊び時間」が生活の充足には非常に大事なのだと思います。
「遊び時間」をけちってはいけない。
意外と、アイディアって「よし、やるぞ」と集中して机にむかっても頭真っ白、何も浮かばない。ほかのことをしているときにふと思いつくことが多いもので、その「ほかのこと」としてルーチン家事はもってこいなのだと思います。
日々同じことを規則的にこなす静かな集中「トランス状態」。
だいぶ持論になってしまいましたが、時短が目的ではなく、生活を豊かにすることこそが目的であることを忘れずに日々生活に工夫を凝らしていきたいと思います。
お昼寝の時短はしません。